詳細なネタバレを含む可能性があります
- 2024/02/06 0:30:09 プレイヤーとして通過しました。グロ・ゴア表現などの存在、性的な表現についての注意喚起は十分であると思います。が、限定公開であることや美麗なトレイラーなどの存在、過剰な注意喚起によって注目されていたわりには「とびぬけて面白いシナリオというわけでもない」と言う感じです。 舞台は18世紀の西アジアと指定があるのですが、具体的にどの国の文化圏であるかは指定がありませんでした。それ自体は自由度を上げる要素ともいえますが、逆に言うと日本人のKPやPLにとっては場面を想像するのが難しくなるということでもあります。シナリオに封入されている背景はどことなく抽象的で、これまた世界観を深く読み取ることを阻害しています。また、せっかく18世紀西アジアだと時代設定があるにも関わらず、意味もなく日本人名のモブが登場したり、「イップス」という単語が登場したりします。これはスポーツ用語ですが、発祥は1967年のことであると、調べたらすぐに出てきます。世界観に入りやすくする工夫はほとんどなく、現代のサーカス団だったとしてもそこまで大きな矛盾が生じるとは思えません。わざわざ18世紀西アジアと指定したことにほとんど意味が無くなってしまっています。 これが最も大きな問題です。物語中盤で、自分たちのサーカステントが襲撃されることがNPCから告げられ慌てて帰るという場面があります。そこで帰ったあと、「襲撃があるとわかっているのに呑気に食事をとり」「結局襲撃されてNPCが凌辱され」「その間PCたちは動く事もできず描写を聞いていなければならない」という場面になります。凌辱のイベントがとある情報を公開するために必要なのは理解できますが、PCたちの行動まで制限されるいわれはほぼないと言えます。注意喚起が十分と記載しましたが、無理に”そういう”シーンを入れたかったようにしか思えず、かなり違和感がありました。 総じて楽しいセッションとなったものの、KPや他PLの努力や協力ありきであり、シナリオそのものには一部疑問を感じる要素がありました。
- 2024/03/07 14:08:03 【プラス要素】 ・公開キャラクターは誰もが魅力的であり、シナリオ内でもPC・NPCは家族のような扱いのため、NPCとの関わりを大切にするPLであればPC・NPCとの交流を楽しめると思える。 ・シナリオ内に用意された謎も比較的少なく、どれも解かなくても進むことはできる。そのため、推理要素が苦手なPLでも楽しめると思える。 ・ 【マイナス要素】 ・「謎が少ない」とは裏を返せば「やる事がRPくらいしかない」という事と同義であり、推理要素もTRPGの醍醐味だというPLは物足りなさが勝ると思える。 ・シナリオの展開が大雑把であり、「街の住民が身を呈してまで襲撃に備える時間を作ってくれたにも関わらず、その襲撃をすっかり忘れたような食事描写」からの「襲撃されたにも関わらず、ただ呆然とNPCが辱めるれる姿を眺めるPC」という何をしているんだと言いたくなるような展開を皮切りに「死んだNPCが居ないのに感じるのが悲しみではなく不思議という感想」、「PC間で情報共有をする時間が皆無な展開」、「PL側が相当察しが良く無ければ気が付けない戦闘ギミックを持つ敵」、「HOを渡された本人も理解が追いつかないHO内容に絡む展開」、「最終局面にて行われる情報量の足りない中でのエンド分岐」、「一切の事前情報なく唐突に行われる世界改変からの大団円じみたエンディング」など疑問や不満を抱くであろう展開が多い。 ・上記の内容から予想するに「PC間で情報をすり合わせをする」ということが想定されておらず、「PC間で不和を生む」ことが容易に起こり得る。このシナリオはCoCではなくパラノイアであると考えた方がまだ楽しめるかもしれない。 【総括】 事前情報通り「本当に人を選ぶシナリオ」なので、事前に入念に地雷確認を行った上でHOを配り、どのような展開になっても問題が無いように準備をしておくことをおすすめします。
- 2024/03/18 21:20:40 PLとしてこのシナリオを経験させていただきました。シナリオの中での不満点の多くは既に他の方が述べられているので個人的に感じた不満を述べさせていただきます。【超重大なネタバレ】本シナリオではHO4がいわゆるスパイ役であり、最初から最後までPC達の所属するサーカスを潰す為に行動を共にしており、裏では生贄としてサーカスの動物達(HO4の選択によってはNPCであるセナも)を殺しています。しかしシナリオ終盤にてHO4が本来所属するサーカス団『アサド』の団長であるアスランによってHO4と他3人での戦闘をさせられます。ここで問題なのが「HO4を殺す」と全ロスになってしまうこと。これまで散々裏切ってきた、展開によっては殺意すら覚えてしまうような相手を殺してはダメなのだとシナリオでも暗に示されます。これを受け入れられるか、というのが大きな問題です。仮にここを乗りきったとしても、HO4が失っていた記憶を、「自身に親しくしてくれた少年を傷付けられ、アスランにとって大切な物を飲み込んでしまいアサドに入るしか無くなった」という絶望的な記憶を取り戻した瞬間に最後のエンド分岐です。ここで「アスランをトートの短剣で刺す」以外の選択をすればバッドエンドなのはここまで来れたPL達であれば分かる事なのですが、問題は全てのエンド分岐が「HO4の行動次第」という事。もちろん他PCも行動はできますが、その行動が通るかどうかがHO4次第というのが厳しい。もしここでアスランを刺せても即時エンド描写に入ることになります。事前説明もなく始まる世界改変。全員が平穏に生きているアサドがない世界。察した方もいるかと思いますが、「HO4が悔い改める時間」も「HO4の罪を精算する時間」も、当然「HO4を断罪する時間」もありません。「全員生きてんだからハッピーエンド!やったね!おめでとう!」という頭お花畑というのも生温いエンディングが真エンドです。これまでの展開でHO4への怒りを発散させることが出来ていなければ、鬱屈とした感情を残したままシナリオを終えることになります。シナリオ概要には『ギミック面でも、ストーリー面でも描写内容でも苦手なものがない方向け』とありますがより正確に言えば『何をされても、何が起きても、どれだけ理不尽でも問題がない人向け』です。野良でこのシナリオを回ることはオススメしません。本当に信頼出来る、何が起きてもその関係性が揺らがない人達で行ってください。
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